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百足伝コンクール2023
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4-a)選んだ一首(1~20までの場合はこちらから選択してください)
1 稽古には清水(しみず)の末の細々と絶えず流るる心こそよき
2 夕立の せきとめかたき やり水は やがて雫(しずく)も なきものぞかし
3 うつるとも 月も思わず うつすとも 水も思わぬ 猿澤(さるさわ)の池
4 幾千度(いくちたび) 闇路(やみじ)をたどる 小車(おぐるま)の 乗得(のりえ)てみれば 輪(わ)のあらばこそ
5 稽古には 山澤河原(やまさわかわら) 崖や淵(ふち) 飢えも寒暑(かんしょ)も 身は無きものにして
6 吹けば行く 吹かねば行かぬ 浮き雲の 風に任(まか)する 身こそやすけれ
7 山河(やまかわ)に 落ちて流るる 栃殻(とちがら)も 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
8 わけ登る 麓(ふもと)の道は 多けれど 同じ雲井(くもい)の 月をこそ 見れ
9 兵法(ひょうほう)は 立たざる前に 先(ま)づ勝ちて 立合(たちあ い)てはや 敵はほろぶる
10 體(たい)と太刀と 一致(いっち)に成りて まん丸に 心も丸き これぞ一圓
11 稽古にも 立たざる前の 勝(かち)にして 身は浮島(うきしま) の松の色かな
12 曇りなき 心の月の 晴(はれ)やらば なす業々(わざわざ)も 清 くこそあれ
13 軍(いくさ)にも まけ勝(かち)あるは 常(つね)の事 まけて負けざる ことを知るべし
14 とにかくに 本(もと)を勤(つと)めよ 末々(すえずえ)は ついに治(おさむ)る ものと知るべし
15 兵法(ひょうほう)の 奥義(おうぎ)は睫(まつげ)の 如(ご と)くにて あまり近くて 迷いこそすれ
16 我流(わがりゅう)を つかはば常に 心還(また) 物云ふ迄(ものいうまで)も 執行(しゅぎょう 修行)ともなせ
17 我流(わがりゅう)を 使ひて見れば 何もなく ただ心して 勝つ道を知れ
18 兵法(ひょうほう)の 先(せん)は早きと 心得て 勝を急(あ せ)って危うかりけり
19 兵法(ひょうほう)は つよきを能き(よき)と 思(おもい)なば終(つい)には負けと 成ると知るべし
20 兵法(ひょうほう)の 強き内(うち)には つよみなし 強からずし て負けぬものなり
4-b)選んだ一首(21~40までの場合はこちらから選択してください)
21 立会はば 思慮分別(しりょふんべつ)に 離れつつ 有(あり) そ無(な)きぞと 思ふべからず
22 兵法を 使へば心 治(おさ)まりて 未練(みれん)のことは 露 (つゆ)もなきもの
23 朝夕に 心にかけて 稽古せよ 日々に新たに 徳を得るかな
24 長短(ちょうたん)を 論(ろん)することを さて置(おき)て 己(おの)が心の 利剣(りけん)にて斬れ
25 前後左右(ぜんごさゆう) 心の技(わざ)の直(す)ぐならば 敵のゆがみは 天然(しぜん)と見ゆ
26 雲霧(くもきり)は 稽古の中の 転変そ 上は常住 すめる月日ぞ
27 兵法(ひょうほう)は 行衛(ゆくえ)も知らず 果てもなし 命限りの 勤(つとめ)とぞ知れ
28 我流(わがりゅう)を 教へしままに 直(すぐ)にせば 所作鍛練(しょさたんれん)の 人には勝べし
29 麓(ふもと)なる 一本の花を 知り顔に 奥もまだ見ぬ 三芳野(みよしの)の春
30 目には見え 手には取れぬ 水中(すいちゅう)の 月とやいはん 流儀なるべし
31 心こそ 敵(てき)と思ひて すり磨(みが)け 心の外(ほか)に 敵はあらじな
32 習(ならう)より 慣(な)るるの大事 願(ねがわ)くは 数(かず)をつかふに しくことはなし
33 馴(な)るるより 習(ならう)の大事 願(ねがわ)くは 数(かず)もつかへよ 理(り)を責めて問へ
34 屈たく(くったく)の 起(おこ)る心の 出(いず)るのは そは剣術に なるとしるべし
35 世の中の 器用不器用(きようぶきよう)異(こと)ならず 只真実(ただしんじつ)の 勤め(つとめ)にそあり
36 兵法(ひょうほう)を あきらめぬれは もとよりも 心の水に 波は立つまじ
37 剣術は 何に譬(たと)へん 岩間(いわま)もる 苔(こけ)の雫(しずく)に 宿る月影(つきかげ)
38 性(さが)を張(は)る 人と見るなら 前方に 物あらそひを せぬが剣術
39 兵法(ひょうほう)は 君(きみ)と親との 為(ため)なるを 我身(わがみ)の芸と 思ふはかなさ
40 一つより 百まで数へ 学びては もとの初心(しょしん)と なりにけるかな
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